「お母さん、今日の夕飯のおかず、何がいい?」
そんな他愛もない会話が、ふと胸に詰まるようになったのはいつからだろう。
70代の母の顔を見るたび、買い物に行くのがどれほど大変そうか、それが伝わってくる。階段の上り下り、重たい荷物、そして何より、慣れないスマホ操作。昔はテキパキとこなしていた母が、今は少しずつ「無理しないでね」と伝えたいことばかり。
70代の母がネットスーパーを使いこなせた!買い物負担を減らした初期設定のコツ
「もう、重いもの持たなくていいんだよ」
この言葉を母に伝えるまで、実はかなりの試行錯誤がありました。
何せ、母は「機械音痴」を自称するほど、新しいテクノロジーには懐疑的。
スマホの充電すら、たまに戸惑うほどでしたから。
「ネットスーパーなんて、私には無理!」
そんな母の顔を思い浮かべながら、どうすれば母が「これならできるかも」と思ってくれるかを、徹底的に考え抜いたんです。
「できた!」を引き出す、最初のハードルを下げる工夫
まず、何よりも大切だったのは、「母を責めないこと」と「小さな成功体験を積み重ねること」でした。
初めてネットスーパーのアプリを開いた時、母は画面に並ぶたくさんの商品に圧倒されていました。
「どうやって探せばいいの?」
と困り顔。
そこで私は、まず母がいつも買っている定番商品だけをリストアップした、”母専用のお気に入りリスト”を作ったんです。
- お米(いつも買っている銘柄)
- 牛乳(よく飲む種類)
- 卵
- 定番の野菜(じゃがいも、玉ねぎなど)
- 母が好きな果物
「ほら、このボタンを押せば、いつものものが出てくるよ」と、指でなぞるように優しく教えました。
最初はおっかなびっくりでしたが、自分の欲しいものが画面に出てくることに、母は少しずつ興味を持ち始めました。
そして、一番の山場だった「決済」の部分。
クレジットカードの入力も、最初は私が隣で手を添えながら一緒に行いました。
「これで大丈夫だからね」と安心させながら、画面の指示を一つ一つ丁寧に説明していく。
母が自分で「注文する」ボタンを押せた時の、あの安堵の表情は忘れられません。
「初期設定」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、母の場合は「お気に入りリスト」と「決済のサポート」が鍵でした。焦らず、母のペースに合わせて、一緒に画面を指差しながら進めることが、何よりも大切なんです。
「まとめ買い」の不安を解消!重い荷物から解放された喜び
ネットスーパーの最大のメリットは、やはり「重いものを運ばなくて済む」ことですよね。母は、近所のスーパーでまとめ買いをするのが好きだったのですが、その度に「腰が痛い」とか「腕がだるい」と言っていたのが、本当に心苦しかったんです。
「お母さん、これからは玄関まで運んでもらえるから、重たいものも気にせず頼めるよ!」
この言葉を伝えて、初めてネットスーパーで飲み物や米を注文した時の母の嬉しそうな顔。
まるで、長年の悩みが一つ解消されたかのような、晴れやかな表情でした。
一度「便利だね」と感じてもらえたら、もうこっちのもの。
今では、野菜も果物も、調味料も、あれこれと自分で選んで注文できるようになりました。
「週1回のまとめ買い」と「冷凍弁当」で、実家の買い物問題を丸ごと解決
ネットスーパーで「まとめ買い」ができるようになったことで、母の買い物の負担は劇的に減りました。でも、それだけではまだ安心できなかったんです。だって、毎日のおかずをどうするか、という問題が残っていたから。
そこで、我が家では「週1回のネットスーパーでのまとめ買い」と、「週に数回、冷凍弁当を宅配してもらう」という方法を組み合わせることにしました。
冷凍弁当が、食卓に「安心」と「彩り」をプラス
冷凍弁当、と聞くと「手抜き」とか「美味しくなさそう」というイメージがあるかもしれませんが、最近のものは本当にすごいんです。
栄養バランスがしっかり考えられているし、何より「温めるだけ」で食事が完成する手軽さ。
母は、自分で献立を考えるのが大変だと言っていたので、この冷凍弁当が、日々の食卓に彩りと安心感を与えてくれるようになりました。
「今日はこれにするね」と、母が自分で選んで温める。
そんな姿を見ていると、本当に「この方法で良かったな」と心から思います。
もちろん、母が元気な時は一緒に料理をする時間も大切にしたい。
でも、疲れている時や、どうしても買い物に行けない時だってある。
そんな時のための「保険」として、冷凍弁当は本当に頼りになる存在なんです。
ネットスーパーは「まとめ買い」や「重いもの」に強い。一方、冷凍弁当は「日々の食事の準備」をラクにする。この二つを組み合わせることで、高齢のご両親の買い物や食事の悩みを、まるっと解決できる可能性が高まります。
「できた!」の瞬間を、お母さんと一緒に噛みしめて
親が元気で、自分で色々なことができるのは、当たり前じゃない。
そう思うたびに、私たちは親のために何ができるのか、どうサポートすれば喜んでもらえるのか、考えずにはいられません。
母がネットスーパーを使いこなせるようになった日、私は母の手を握りしめて、何度も「おめでとう」と伝えました。
それは、母の「できた!」
という喜びであり、私の「これで良かったんだ」という安堵でもありました。
もし今、あなたもご両親の買い物や日々の食事に心配を抱えているなら、まずは焦らず、できることから少しずつ試してみてほしい。
そして、どんな小さな「できた!」
でも、お母さん、お父さんと一緒に、その喜びを噛みしめてください。
その積み重ねが、きっと親子の絆をさらに強くしてくれるはずです。
私自身、まだまだ試行錯誤は続きますが、母が笑顔で「これ、便利だね」と言ってくれる顔を見るのが、何よりの原動力になっています。
あなたが、あなたのお母さん(お父さん)の「できた!」
に立ち会える日を、心から願っています。


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